一般論に拡張しないようにね

 私は原家族の離散を経験しました。
 肉親の自死も経験しました。
 それは私に起こったことです。

 決して皆無ではなくて、誰の人生にも起こりえる。
 でもそれは、誰もが経験することじゃない。

 30年近く前、私はそんな自分の経験をもとにした感覚で
 世の中と接していました。
 私にとって、
 というより誰にとってもまず、
 社会とは家族の縮図、
 いえ、家族が社会の縮図なので、
 そう感じた若い頃の自分を無下に批判したくはありません。

 ただそれとは別に、
 その感覚を持ち続けている限り、
 自分の周囲に集まってくる人も、
 起こる出来事も、
 同種の感覚に基づくものばかりで、
 それが当時の私を包む世界そのものでもあったわけです。

 ホントは目の前にある
 人の優しさや、
 ラッキーな出来事や、
 未来への可能性や、
 ちょっとした素敵な想いや、
 そういったものを全て世界の外に置き去りでした。

 今、自分の思い込んだ世界に苦しんでいる方にお伝えしたいことは
 自分の感覚をあまり一般的なものとして
 拡張しないでほしいということ。 

 その苦しい中で、よく生きて来られたと思います。
 まずは自分を抱きしめてあげてください。
 そのうえで、それは決して一般的な世界ではないと
 わかってください。
 いかに自分の周りがすべからくそうだったとしても。
 被害者の世界は自分が終わらせましょう。

 そう自分に伝えていた頃を思い出していました。

 お読みいただきありがとうございました。