その感情はあなた守ってくれたもの

中谷英貴です。

 自分を追い詰めてしまうような感情、
 人を責め、腹を立てる感情、
 それも、元をたどれば、
 今ではなく、
 過去にもどつく感情。

 自分も、
 相手も、
 肉親や伴侶や恋人や親友などの大切な人々をも
 滅ぼしてしまいかねない感情。

 原家族が崩れていく様子を
 目の前で見ざるを得なかった私にとって、
 それらの感情は
 ともすれば忌み嫌い、遠ざけたいものでした。

 でも、
 遠ざけている限り、
 見ないようにしている限り、
 無視している限り、
 いつまでもいつまでも、
 私の現実に現れ、
 襲ってきました。

 意を決して向き合ってみてわかったのは、
 それらの感情のどれもが、
 その時々で自分を守るために
 必要なものとして
 存在してくれていたということでした。

 今、同じような感情に苦しんでいる方々に
 同じことを伝えさせてください。
 その感情、つまり、
 心の中で苦しみ荒れている自分が生まれた理由は、
 そんな環境の中で、
 必死になって生き残ろうとしてきた代償であり、
 自分を守ってくれていたものです。

 今になってそれらの感情で苦しみ、
 虚栄心や妙なプライドを満たすことで回避できると
 勘違いして躍起になったりせず、
 自分の一部として湧き上がっている感情と
 しっかり向き合ってみてください。

 そして、そっとありがとうと伝えて、
 自分の胸の奥に静かにおいてあげてください。

 今はもう必要のないもの、
 でも、ある時期、ある場面で
 追い詰められた自分を
 必死に守ってくれた存在。
 大切な自分を織りなす一部です。

 お読みいただきありがとうございました。