未来を引き寄せるのは自分の生き方そのもの

中谷英貴です。

 原家族が離散し、苦しんでいた頃、
 なぜこんなことになってしまったのだろうと
 よく考え込んでいた時期がありました。

 父母の仲はよくありませんでしたが、
 父は毎日働いていて、食べるに困ることはなかったし、
 母は、子供が帰るときはいつも家で待ってくれていました。

 そんな二人でしたが、
 悪いこと、嫌なこと、不幸に陥ったと感じた時、
 自分を受け入れて何とかやり過ごす術が乏しかった。
 お互いに自分を守ってくれるはずの相手が
 理由はどうあれ、
 自分を攻撃して止まず、
 しかもそこで表現される言動が
 互いの中にできていた愛着の絆を
 同じ時間を過ごす中で
 少しずつ、確実に、蝕んでいった。

 心理カウンセリングを学んだ当初、
 私は父母の間の出来事を
 そう受け止めていました。
 彼らに起こったことを第三者として客観的に見れば
 そんな解釈もあるのかもしれません。

 ですが、今は少しばかり異なります。

 理屈で考えて導き出した正解が、
 時に何も解決しないように、
 そんな受け止め方、解釈の仕方は、
 二人のもとで生まれ育った私が
 自分の人生を納得して生きる上で
 およそマイナスの意味しかもたらさないことに
 気づいたからです。

 それまで自分の家族に起こった哀しい出来事の正しい解釈は、
 ちょうど小学生が算数の問題の答えを導くように、
 たった一つしかないと考えてしまっていました。
 ですが、モノの見方はそれこそ人の数だけあるように、
 それぞれの長い人生を生きてきた父母の生い立ちを考えれば、
 ただ彼らの力不足をあげつらうことが、
 どれほど一人よがりであり、傲慢であるかを
 自分が受けた恩恵とともに感じたのです。

 きっとそうでない人もいるのでしょうが、
 私たちは、どこか
 愚かで、勝手で、思い込みで人を悪者にしたりして、
 生きていることがあると私は思っています。

 そこに気づいてから、
 他の方々が
 ずっと昔から、
 ずっと若い頃から実践していたように、
 そんな自分を受け入れ、
 同じような人々を受け入れ
 今の人の関係を受け入れ、
 今の仕事を受け入れ、
 今のお金周りを受け入れ、
 当然ながらその一環として父母を受け入れ、
 そうやって生きるようになり、
 それとシンクロするように
 生きづらさが薄らぎ、
 お金や仕事や人の関係が改善してゆき、
 心理カウンセラーとして人と接することが
 できるようにもなりました。

 どれもが意識して何かを得ようとして起きた出来事ではなく、
 自分の生き方の変化の結果、
 招き寄せたことといっていいのかもしれません。
 心の成長が人よりずっと遅かったことは自覚していますが、
 そんな生き方のおかげもあって、
 自分が平安な気持ちの中にいることができるようになりました。

 お読みいただきありがとうございました。