体の痛みのもと

中谷英貴です。

 母は、雨が近いと関節が痛むとよく言っていました。気圧の変化で生じるものだそうです。子供の頃からそう聞かされてきたせいか、季節や気候による痛みもあるのだな、と漠然と思っていました。

 以前、右足のくるぶしを骨折したことがあります。
 痛かったです。。。
 そりゃそうですよね。
 ちなみに、天候が崩れそうになると、疼痛とまではいきませんが微妙にじわじわと感じるものがあるような気はします。気はします、なので気のせいかもしれません。

 骨折に限らず、擦り傷、切り傷、打撲、凍傷、どれも痛いです。
 こういった物理的原因のある痛みは、放っておかずに、冷やすなり、薬を塗るなり、固定するなりして、適切に対処したいですね。

 ですが、痛みの中には、物理的な原因のないものもあります。
 物理的な原因のない症状もあります。
 もっとも、どこまでを物理的な原因と呼ぶべきか、というのはあるでしょう。

 私はその昔、疲労が重なると帯状疱疹が出ました。継続する緊張と睡眠不足とで疲労が抜けない日々が続いたとき、と相場が決まっていました。ある時には、胸の筋肉が痛くなってちょっとした振動でもうずくまってしまったり、腕が肩から上にあがらなくなったり、咳が何週間も止まらなかったり、38度以上の熱が2週間続いたりしたこともありました。

 それがストレスからきていたことを理解している今は、まず自分をそこまで追い込むような無茶はしません。そうしなければならないような状況んもありませんし。
 いずれにしても、自分が抱える苦しみ、行き詰まり感、生きづらさなど、心理カウンセリングや精神医療の対象となるような状態をストレスと呼ぶならば、体の症状と密接な関係があっても不思議ではないと思います。

 ストレスとか悩みは、長く解決されなかったり昇華されなかったりすると、出口を失って体に来ます。中年の方で腰が痛む症状など、そう考えれば思い当たる節があるのではないでしょうか。年配の方の中には腰や膝の関節の痛みに悩まれる方も少なくないようですが、年を召される中で募る心配事が重なってもたらす症状という側面もあるでしょう。
 年齢は関係なく、体の痛みに気付かず、苛立ちや不快を募らせ、周囲に怒りをぶつけるような不逞な輩もいるようですが。

 体の症状となって表れるストレスの元凶は、働きすぎとか、責任感とか、そういったことをさらに遡って、どんな価値観に沿って生きているか、自分は何を基準に日々を過ごしているのか、大切なことの優先順位はどうなっているのか、そんなところにまで行きつくと思います。

 体の痛みは、私たちの生き方へのメッセージだと思います。心と体は、想像する以上に密接につながっているのです。
 景気、気分、活気、気合、気力、気性、気質……。人の行動や性質に“気”が多く使われているように、ここの在り方が歪み続けて出口を見失うとき、倒れる前に症状として体に『出てきてくれる』のだと考えることもできます。

 私たちが生きるために必要な、たった一つの心と体を大切に。
 
 お読みいただき、ありがとうございました。