親に心を痛めているうちにできること
中谷英貴です。
親同士の喧嘩は、大なり小なりどこの家でもあると思います。
見ている子供のほうは、災難ですよね。子供だったらハラハラするし、ティーンなら面白くないから距離を置く、社会人になったら平気かといえば、やっぱりいい感じはしない。
それでも、『夫婦喧嘩は犬も食わぬ』のとおり、一過性で、不穏な空気が去ったら、二人がなんとなくいつものペースで会話する日常が戻るのなら、そして衝突といってもそんな弾力性があるのなら、まあ仕方がないかなとなります。友人同士の会話で、笑い話にできなくもない。
ただ、そういったこととは一線を画す、互いに相手の存在を貶め、蔑むような態度をとり、言葉を投げつけ、罵りあい、腕力に頼り、なぜ一緒にいるのだろうと首をかしげる余裕もなくなるような残酷な衝突を繰り返す関係があるのも、また事実です。
これを見る側はつらい。
胸を痛め、体から生きる力が抜けていく。
世界の見方が歪む。
衝突は子供が社会に出た後に始まることはそうそうなく、それをずっと見て育つと、大人になった時、人の関係の本質においてしまいます。
生きづらさの大きな理由の一つになります。
少し学ぶと、親の生い立ちから、彼らもまたやむなくそんなキャラクターを身に着けたことがわかります。同情しながら、胸を痛め、でもやっぱり腹も立つ。
だからといって、親を責めるのもまた筋違い。
さてどうしましょう。
できることがあります。
まず、自分の心の声に耳を澄ましてください。
心を痛めているということは、それだけ親のことが大切だということ。
心の痛みに耐えられずに、ドロップアウトしたり、ひきこもったりするのも同じことです。鬱に陥り、働けなくなることもあるでしょう。
でも、残念ながら親という他者は変えられない。
親が子供の異常に、自分が原因と気づいて変わる話はあります。ですが、何かがおかしいと気づいたのは他ならぬ子供の側のあなたです。
もう一度言います。たとえ愛する親であっても、子供が直接働きかけて帰ることはとても難しい。
親の衝突に胸を痛め、気を使い、何とかしようと奔走しながら、自分を適当に扱ってしまっている。
だから、心の声に耳を澄ましたら、親に向けていたエネルギーを、まず、彼らの言葉や行動を取り込んでしまい、傷ついて、よれよれになって、いじめ続けていた自分との関係を変えることに注力してください。
いつも自分に、素敵だ、と伝えてください。
いつも自分に、よくここまで生きてきた、と伝えてください。
いつも自分に、二度と無視したり遠ざけたり罵ったりしない、と伝えてください。
よく眠ってください。
お酒を控えてください。
軽い運動をしてください。
仕事や収入や見栄えで誤魔化さないでください。
素のまま生きる気持ちのよさを知ってください。
他にもいっぱいあります。
それができることです。
良い方向への変化が始まります。
あなたが、楽な、幸せを感じる方向に変わり続けると、影響を受けるのは最も親しい人々です。
まず、自分をいたわり、励まし、生きていきましょう
お読みいただき、ありがとうございました。