何が自分にとっての優しさか理解できると、他者との関係が変化する。

中谷英貴です。

 優しさとか癒しはとても大切です。
 でもなかなかうまく使いこなせない。
 使いこなす、というより、
 丁寧にそして親身に与え、受取り、また紡ぐ、
 そういった性質のものなのかな。

 癒しについては以前に述べたので
 優しさについてふれてみます。

 家族の離散に向けて、
 父母の対立が一線を越えていた頃、
 ほんとうはどうしたらよかったのかと今も考える時があります。
 二人とも、いっぱいいっぱいの心持ちだったのだろうと思います。
 歳を重ね、先が見えてきて、
 老後が安心できるほどの資産があるわけでもなく、
 互いに支えあっていこうという気持ちが
 相手の中に感じられない。

 父と母では、
 自己評価の重みがずいぶん異なっていたようにも思えます。
 同じだったのは、二人とも自己評価がとても低かったこと。

 だから、相手の中に自分の存在価値を見出し、
 それが自分に何かを与えてくれることを
 期待していた面が強かったようです。
 でもそれは、
 どこの、そしてどの時代のカップルにも
 言えることなのかもしれません。

 相手から受け取ることができる優しさ。

 自己受容。
 見たくない自分を受け入れ続けていると、
 他者との関係が変化してきます。
 自分を受け入れるほどに、余裕ができ、
 自分を労わるほどに他者に対しても
 同じように接することができるからです。

 そんな生き方に変化していくと、
 他者から自分に対しても
 同じように優しさが届きます。
 期待せず、自然に配っていたものが戻ってくる、
 そうも言えます。

 父母はとても怖くて不安だったのだな、
 と今ならわかります。
 率直にそのことを認めて、
 そう感じる自分を受けいれられていたら、
 その時には互いに対する態度や見方も
 変わっていったのではないか、
 そう感じられてなりません。

 大好きな父さんと母さん。
 そんな状態でも精一杯の接し方で育ててくれてありがとう。

 ここで書いたことは全て、
 自分の今後のために実践していければいいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。