私たちは自らの働きかけによって確実に変化していくことができる

中谷英貴です。

 私たちは、無意識に従って生きています。

 それらは昔は、
 宗教的、哲学的、伝統的、道徳的に
 言い伝えられていたようなことですが、
 今は脳科学的に裏付けられています。
 小手先の働きかけで人生が好転しない時には、
 そこに目を向けることが大切だと思います。

 無意識とは、自分が直接触れることが難しい
 膨大な知見、体験記憶の倉庫のようなものです。
 あるいは押し入れ、棚、メモリーやハードディスクなど
 とにかくしまい込むためのものです。

 日々現れるちょっとした決め事や選択、
 人生の大きな岐路になるような判断、
 そういったものを意識で行っていると
 私たちは勘違いしているけれど、
 実はそうではありません。

 意識で決定するよりほんの少し前に、
 無意識の膨大な記憶が
 その事象に対する過去の重みづけから作用します。

 重みづけとは、
 その人の過去の経験・記憶から
 もっとも過去に確からしかったとか
 もっとも事例が多いと感じたとか
 もっとも当然と思われるとか
 そういったことです。
 いわゆる判断指標として支配的な要素のことです。

 これは裏を返せば、
 今うまくいっていない事柄に対して、
 重みづけを変えるような行動を
 継続して行い続けることで
 確実に変えていけることを意味します。

 かつて、父母の怒鳴り声や鳴き声と合わさって
 記憶の中にあった
 遠くの国道を走り抜けていく車の音や
 雨粒がアスファルトに当たって発する匂いは
 今の私には
 かつて原家族が落ち着いていた頃の
 良き場面の想起とともに、
 平安を与えてくれる音や匂いになっています。

 人は変わることができる、とは
 一朝一夕のことではありませんが、
 事実だと思います。

 お読みいただきありがとうございました。