心と体と仕事・働き方の選択

中谷英貴です。

 働く理由は、生活のためだ。
 そう言われたとき、反論できる人が
 どれだけいるでしょう。
 必要な対価を効率良く得るため、
 今の仕事をしています。
 好きでもなければ、楽しいわけでもないけれど、
 そんな理由で今の仕事をしている。
 そういう人を何人か知っています。

 一方で、働くことは、自分を高め、
 世の中に貢献することだ、
 そういう方もいます。
 そう言われたとき、
 自分もそうだと言える人がどのくらいいるか。
 その通り!
 労働とは、自己実現のことなのだ、と。

 ブラック企業とか、
 働き方がブラックと
 言われる話を耳にする一方で、
 世に成功者と呼ばれる人々の
 仕事に対する打ち込み方は、
 ある種究極のブラックであったりする
 場合があります。

 私は寝る間も惜しんでまで
 働いたりはしないので、
 そういう方々と同類ではありませんが、
 その気持ちはよくわかる。

 ある目的があって、
 一挙手一投足がそこに向かって
 楽しく充実しているとき、
 どこで何をしていようと
 やってることが仕事の範疇に入るのだから、
 傍からどう見えようと、
 当人にとってはブラックなんかではない。

 絵を描くことが大好きで、
 寝食惜しんで漫画を描き続ける人は
 まさにそんな状況ではないでしょうか。

 ブラックとは、
 労働者(=被雇用者)にとっての“本音”に反して、
 長時間の労働を課されることだと思います。

 ではどんな働き方がいいのか。
 体に優しい?
 心に嬉しい?
 自分の好きなこと?
 自分がやりがいを感じること?

 正解はありません。

 自分が何をしたいかを知るためには、
 自分を受け入れながら、
 自分がどんな環境で育ち、
 どんな教育を受け、
 どんな楽しみがあって、
 どんな性癖で、
 といったことを振り返り、
 自分のアンテナに“ちょっとでも”かすったことを、
 少しずつでもやってみて、
 トライ&エラーを繰り返して
 “体感”していくことが必要です。
 “ちょっとでも”は大変重要なことですので
 覚えておいてください。

 …ですが!

 それと同じか、もっと大切なことがあります。

 働き方です。

 平たく言うと、
 今の会社で働くのか、転職するのか。
 締め切りがある方がいいのか、緩いほうがいいのか。
 大人数がいいのか、少人数がいいのか。
 少人数は一人のケースなら、起業ということもあります。

 今世紀に入って転職文化が根付き、
 実際に転職した経験があるかはともかく、
 転職エージェントに出向いた方なら、
 自己紹介・希望の確認で、
 このような問い・アンケートを
 受けたことがあるかと思います。

 これは別の角度から言えば、
 自己分析にもなりえるわけです。

 社会の変化は速く、
 それまで資本がないとできなかった多くのビジネスの元が
 ずっと容易に入手できるようになっています。
 あるいは、
 個々人が使用するためのインフラがどんどん充実していきます。

 好きなこと、やりがいのあることは、
 確かにできれば嬉しいでしょう。
 ですが、とりあえずやっでみたことが成功して、
 人に喜ばれることもまたモチベーションになるものです。
 それが自分に合った働き方、
 もっとも精魂込められる環境であるなら、
 きっと楽しくて充実するでしょう。

 仕事の内容だけではなく、
 自分に合った環境を求めること、
 特に自分なりに作る方法を模索することを、
 普段から考えておくこと、
 そして、可能なら1%でも3%でも
 動けるときに実現に向けて動いておくことは大切です。

 よくわかっているはずで、
 なぜか瞬時にあきらめて思考の外に飛んでしまう、
 自分に合った働き方・環境の実現を
 頭の片隅にとどめおきください。

 お読みいただきありがとうございました。