自分を嫌わないこと・責めないこと

中谷英貴です。

 自分を嫌わないこと、責めないこと。
 言うは易く行うは難し、の見本のような言。

 不意に襲ってくる自分への不信感。
 得体の知れない不安のこともあるし、
 大嫌いな奴の顔が浮かんで言わせるときもある。
 でもそれは、どこまでいっても自分自身。

 自分を嫌わないようにする方法は
 2つのステップと1つの振り返り。
 これをひたすら継続すること。

〈2つのステップ〉
 1.自分が自分を嫌っていること(瞬間)、
 虐めていること(瞬間)、
 蔑んでいること(瞬間)に気づく。
 これに気づかないと始まらないけれど、自分を嫌っている、自分を責めていると感じているであれば、特にそうしている時はわかる。

 2.どんな時にも、どんなことに対しても、自分の味方になる。
 味方になるとは、
 自分の側に立つこと。
 真剣に心底から行うこと。
 他の誰かにわかってもらおうとしないこと。
 何より、自分が自分の理想的な親になること。
 追い込まれた自分を責めないこと。見守ること。
 自分を嫌っている状態は、自分が弱っている状態だから、“自分が自分の理想の親になる”ことは最初はとても大変に感じる。
 でも、自分を責めることなく、受け入れ続けていると、ある頃から周囲との関係に変化を感じるようになる。なんだかわからないけれど、楽になる。それは自分自身との関係が変わってきたということ。
 コツは、嫌われる側の自分に、もう一人の自分が一緒に寄り添い見守るイメージを繰り返し行うこと。具体的な言葉をつぶやいてもいいし、ノートやスマホにかけてあげる言葉を書いてもいい。
 くどいようだけど、飽くなき繰り返しが必要です。

〈1つの振り返り〉
 過去を整理してみることです。
 今も引きずっている過去の出来事を洗い出す。
 ①自分がやってしまったミスやひどいこと
 ②自分にやられて哀しかったり悔しかったこと、
 そういった言動を一つずつ拾い出してみる。

 ②は上述の2つのステップを行います。
 ①は、最初にそうしてしまった理由を思い出す。
 正当化はしないこと。
 ただそうするに至ったプロセスや、自分の想いがあったはず。
 難しいときは、専門家に相談して俯瞰した視点から見てみる。
 間違っても自分を追い込むようなダメ出しをしない。
 その時のあなたなりの正義があったはず。
 正義は十人十色で、決して正当化したり、何かを実行する理由にはならないが、追い詰められたが故にやってしまったその時の正義は、しっかりと受け止めてあげること。
 そして一緒に哀しみ、これからはそうしなくてもいい人生を共に歩むと誓う。

 ここに記載したどれもが、具体的に数値のような結果も見えなければ、外的・明示的な作業があるものでもありません。
 ですが、行き詰まり、弱った自分は、内面世界によって作られてきました。そうであるのなら、その世界を変化させるために注力することが、自分を嫌わなくなる最善の方法であるのは言うまでもありません。

 自分を嫌ったり、自分を責めたりするのは、怒りと同じくらい人生の無駄です。いずれも自分の中で起こっていることですから、自分で変えていくことができるのです。
 
 お読みいただきありがとうございました。