打ち明けること、打ち明けられること


中谷英貴です。

相談は、その内容によって相手を選ぶ必要があります。
相談するとは、自分の中で抱えていた何かを打ち明けることで、友人知人に、突然重い内容の話を打ち明けたところで、相手はどう答えてよいかわからない。ことに、多くの人が経験していないような話では、困らせるか、勝手なことを言われて傷つくか、わかったような回答をされるか、になってしまう。
重い内容だからこそ、誰かに聞いてほしくなるし、気持ちはよくわかりますけどね。

私のように、家族がおかしくなったり、自死者が出たりといったことばかりではなく、肉親が心の病になってしまったり、親の離婚や依存症の問題、いじめ、財産分与、生きていたくないという追い詰められ感。

その状態が生じるまでには、抱えきれない心の葛藤が渦巻いていたと思います。
植えつけられた重石があるのなら、一人で抱えるには無理がある。

だから、専門家に限る必要はないけれど、ある程度信用できる人(昔からの親友、頼りにしていた親戚、先生など)に、適切な答えが返ってこない可能性も考慮して、尋ねてみるようにしてみてください。
一気に解決することはないけれど、多少なりとも自分を相対化する場所に身を置くと、今の自分の状態が見えてくるものです。

また反対に、本来自分が頼るべき人、例えば、親から相談を持ちかけられること、ありますか。
何食べたい、どこに行きたい、ならいいですよね。子供の時言われたように。
時に、ちゃんと働いてるの?結婚は?子育ては? これはちょっと鬱陶しいけれど、傍から見る分には微笑ましい。
あるいは、最近腰の調子が、とか、目が、なんて、自分のことを言ってくることも。

つらいのは、どうしようもない相談を持ちかけられること。
両親の性生活のことだったり。
DVのことだったり、女性(男性)問題のことだったり。

親は子供が大人の年齢になったからと思って相談してくるのかもしれません。
そういう親に限って大方は、子供の頃からおかしな部分まで子供を大人扱いしていたりするものですが。

そんなとき、自分の想いを伝えることは大切ですが、それで変わるようならとっくに変わっているでしょう。
相談されたあなた自身が親との間に線引きできていればいいのですが、抱える必要のない問題を共有して苦しむことが多いです。まず、自分の中にできた“痛み”を処置することを考えてください。そして、打ち明ける相手を選んでください。

あなたが自分のために生きられるようになることが何よりも大切です。