本当のほんとうの本音なの?

中谷英貴です。

 自分というものをして、
 玉ねぎの皮をむき続けるようなものだ、
 と言った精神科医がいました。
 自分というものを掘り下げていくと
 いくつも幾重にも再現なく、
 自分というものがあらわれてくる
 という意味だそうです。

 この話を聞いて即座に
 日常的に仮面をかぶって
 人と接することを連想しました。

 仮面も玉ねぎの皮も
 苦しいならとってしまえばいい、
 そこに自分の本心があるから、
 と言われているということなのですが、
 これは追い求めればきりがない、
 とも言えます。
 仮面をかぶった自分、
 嘘をついている自分、
 人に迎合し、あるいは人と対立ばかりしている自分
 というものが苦しいから、
 人は本心を求めます。

 ですが、本心を求める、
 とやっているうちはまず、
 本心にたどり着くことはありません。
 本心(本音)を知りたければ、
 自分が、
 仮面をかぶった今の自分を
 しっかりと認めること、
 これは正当化することではなく、
 悪いことをしていようが、
 落ち込んでいようが、
 その事実と
 その時の自分の心持、感情そのものを
 きちんと認識し、
 こう言うのです。

「苦しい?哀しい?つらい?
 自分で自分をさばきたくなる?
 そうだよね。きついよね。
 でもさ、それ、
 今の自分を守るために必要だったんだよ。
 無下に批判なんてする必要はないんだよ。
 いつ頃から、
 どんなことが重なってこうなっているかは
 少し落ち着いて振り返ってみればわかるでしょ。
 その時の自分をまず抱きしめようよ。
 そして、
 その時の気持ちをしっかりと思い出して、
 大切にしようよ」

 コツは、
 繰り返し、繰り返し、
 本当に何度も繰り返すことです。

 哀しみか、怒りか、反論か、
 何が出てくるはわかりません。
 ただ、間違いなく
 その奥に見失った本音が見えてくることだけは
 確かだと思います。

 お読みいただきありがとうございました。